ALONG THE RIVER
日々、眼前に流れる圧倒的な日常を、ありあまるほどにドラマチックに演出し、増幅し、人は生きていると思う。
生きろ、生きろと野蛮な感情が
生きろ、生きろと静粛な感情が
心の中でせめぎ合い、紡ぎ合い、交錯し合う。
教え子が自ら命を絶った。
どれだけの闇が彼に襲い掛かったのだろう。
どれだけの悲しみが彼の心を侵したのだろう。
しかし、
時の流れは止まらない。
圧倒的な悲しみがそこにあるにも関わらず、時は止まらない。
あまりにも無情に時は止まらない。
この世のもの達が、すべて悲しみにくれ、
あたかも時が止まったかのごとく、
そこに対峙してはいないのだ。
窓から眺める人々は、いつもの変わらぬ顔で街を闊歩している。
人生のすべてをかけて悲しみにくれている、
ここにいる、有機体に誰も気づきはしない。
孤独だ。
孤独なのだ。
だからこそ、お互い分かり合えない孤独感を、あたかも分かろうとして、あたかも分かったふりをして人は寄り添おうとするのだ。
感情を持ってしまった面倒な肉の塊
古の時代から、このどうしようもない、どうすることもできない、空虚な孤独感に人は苛まれながら生きている。
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